- SATOMI CLINICAL RESEARCH PROJECT -
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プロジェクトについて

生き方、医学の未来を いっしょに考えましょう

 この社団法人では、臨床研究のサポートをすることをまず目的とするのですが、どういう研究を重視するのか、をここまで例を挙げて説明しました。

 

 もう一つ、この社団法人では、こうした考えを広める啓蒙活動も考えています。

 おそらく皆さんは、いろいろな分野で、「こんなに治療成績は改善した、患者さんは助かるようになった」、もしくは「これからこういう研究が始まる、こんな進歩が患者の利益になる」というメディアの記事を目にされていることでしょう。そこに、私がずっと申し上げてきた「暗い部分」は強調されることがありません。せいぜいが、「こういう課題が残る」ということを、付け足しのように言及するだけです。

 しかし、問題を明らかにせず、綺麗事を並べるだけで、このまま日本が「綺麗事」の道筋を辿っていけるはずはありません。

 私は、「人の命は地球より重い」という命題を、一律に否定しようとは思いません。しかしながら、現実問題として、第三世界でも、もしくはアメリカでさえ、人命は「カネの不足」によって塵芥よりも軽くなっていることが多いのです。

 そして日本でも、「地球よりも重い」とされているのは人命が「あるか、ないか」であって、その命がどういう状態で維持されているのか、は関心が寄せられていないとまでは言えないにしても、第一義的な重要性を認識されてはいません。

 たとえば、交通事故の死者の数は減った方がいいに決まっていますが、我々は「負傷者数」への関心は「死者数」ほどには、持ちません。しかしながら、実際には、「死ぬより悲惨」な状態で生き残り、「いっそあの時死んでくれた方が」というような表現をされる重傷者の方がいるのも、現実です。

 このまま「人の命は地球より重い」という言葉を繰り返し、厳しい現実から目を背けていたら、はっと気がついた時にはそのフレーズは何の意味も持たない、ただの譫言になりかねません。我々は、講演会やSNS を利用した啓蒙活動を通じて、その

「容易ではない」解決法をともに考えていくことを世の中に広げたいと考えております。