- SATOMI CLINICAL RESEARCH PROJECT -
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ニュース・活動報告

肺癌に対する免疫薬剤の用量削減・適正化に関する研究が日本医療研究開発機構の「革新的がん医療実用化研究事業」に採択されました

SCP代表理事の國頭英夫たちが行う肺癌に対する免疫薬剤の用量削減・適正化に関する研究が、日本医療研究開発機構(AMED)令和6年度「革新的がん医療実用化研究事業」に採択されました。

https://www.amed.go.jp/koubo/15/01/1501C_00111.html

【Field4-1-2】高額薬剤の投与法等を検討する多施設共同臨床試験

この研究が公的に支援すべき事業として認められたことを示します。こういう研究課題に「Field」が設定されて公的助成の対象になったこと自体、国もこのような研究の重要性にようやく気がついてきたことを示しています。

ただこの領域(Field)では他に応募された研究はなかったそうでありますから、我が国では「癌治療を適正化し、コストと副作用を削減する」臨床研究はまだ少なく、SCPが我が国の研究をリードしていかねばならない状況が続いています。


癌の高額医療に関する報告論文集が、英文医学雑誌に特集号としてまとめて発表されました

SCP代表理事の國頭英夫が委員長を務めるJCOG(日本臨床腫瘍研究グループ)医療経済小委員会において、さまざまな癌の高額医療に関する実態調査が行なわれ、以前ご報告したように前立腺癌・腎細胞癌、肝細胞癌、子宮頸癌・卵巣癌、肺癌、乳癌、胃癌、大腸癌、頭頸部癌、脳腫瘍に関する報告が英文医学雑誌に掲載されていましたが、これに論説文を加えた10編からなる特集号が出版されました。
https://academic.oup.com/jjco/issue/54/10
なお、論説文は國頭英夫と、国立がんセンター名誉総長の垣添忠生先生(日本対がん協会会長)が執筆し、「避けたかった問題に立ち向かう」と題しております。
https://academic.oup.com/jjco/article/54/10/1059/7808773


癌の高額治療に関する実態調査の報告が朝日新聞で取り上げられました

SCP代表理事の國頭英夫が委員長を務めるJCOG(日本臨床腫瘍研究グループ)医療経済小委員会における癌の高額医療に関する実態調査(癌の高額医療に関する実態調査の報告論文が英文医学雑誌に掲載されました | SATOMI臨床研究プロジェクト (s-cp.or.jp)癌の高額医療に関する実態調査の報告論文が英文医学雑誌に掲載されました | SATOMI臨床研究プロジェクト (s-cp.or.jp))が、9月7日の朝日新聞朝刊「オピニオン」面で取り上げられました。

(多事奏論)薬は高い方がいい? 医療費膨張、費用対効果のメスを 原真人:朝日新聞デジタル (asahi.com)

執筆した、編集委員の原真人さんは、「この問題に向き合うことは保守かリベラルか、財政拡大か緊縮かという選択ではない。この国の未来に無責任かそうでないかという話である」と結論しています。


癌の高額医療に関する実態調査の報告論文が英文医学雑誌に掲載されました

SCP代表理事の國頭英夫が委員長を務めるJCOG(日本臨床腫瘍研究グループ)医療経済小委員会において、さまざまな癌の高額医療に関する実態調査が行なわれ、以前にご紹介した前立腺癌・腎細胞癌と肝細胞癌に対する報告論文(https://s-cp.or.jp/archives/10623)に続き、子宮頸癌・卵巣癌、肺癌、乳癌、胃癌、大腸癌、頭頸部癌、脳腫瘍に関する報告が英文医学雑誌に掲載され、9グループからの論文が出揃いました。

https://doi.org/10.1093/jjco/hyae089

https://doi.org/10.1093/jjco/hyae094

https://doi.org/10.1093/jjco/hyae109

https://doi.org/10.1093/jjco/hyae104

https://doi.org/10.1093/jjco/hyae110

https://doi.org/10.1093/jjco/hyae117

https://doi.org/10.1093/jjco/hyae116

全国の延べ300以上の施設から合計で15,564人の患者についての大規模調査です。


第三回社員総会のご報告

 去る7月10日に社員総会が開催されました。昨年度の事業報告です。4年目に入り、更なる飛躍を図りたいと思っています。


令和5年度(2023年6月1日〜2024年5月31日) 事業報告書 非営利型一般社団法人 SATOMI臨床研究プロジェクト

1.事業の成果
・がん治療を中心とした医療の現状と問題点について情報発信を行い、問題提起をすることができた。
・恒常的な情報発信のためのホームページを作成、随時活動報告をアップした。
・ユーチューブチャンネルを継続した。
・JCOG(日本臨床腫瘍研究グループ)やCSPOR(公益財団法人パブリックヘルスセンターがん臨床研究支援事業)とは共同で複数の臨床試験を実施もしくは計画していった。
・AMED(国立研究開発法人日本医療研究開発機構)からの研究費を獲得して「國頭班」を立ち上げ、研究を遂行するとともに班会議を公開して広報に努めた。
・OCCA(Optimal Cancer Care Alliance)など海外の研究団体と交流し、情報交換をすることにより将来の共同研究への基盤を築いていった。

2.事業の実施に関する事項
定款に記載された事業ごとに記す。一部、令和4年度および6年度にまたがる事項も、令和5年度の事業と直接関連するものは対象に含めた。

1 がん治療を中心とした医療の普及、啓発に関する事業
下記メディアにてがん治療の現状を紹介し、問題点を指摘した。
 東京新聞2023.8.31・9.7朝刊(垣添忠生・対がん協会会長との対談)
 公益財団法人札幌がんセミナー機関誌「The way forward」2023年12月号(同上・垣添先生との対談詳細)
 SCPホームページhttps://s-cp.or.jp
 Youtube SATOMIチャンネル(https://www.youtube.com/@satomi_ch
 NHKニュース7(2024.6.8)がん治療の医療費 増加続く 専門医らが治療費の実態調査開始 | NHK | 医療・健康

2 臨床研究及びその関連領域についての調査、研究、情報の収集、提供、相談及び支援に関する事業
下記臨床試験を遂行・結果発表または支援した。
 ・JCOG1905(腎癌に対する免疫チェックポイント阻害剤の指摘投与期間に関する研究):症例登録中(対象患者:250人を予定)、付随研究解析費用¥1,503560を支援(予定分含む)
 ・JCOG1701(肺がんに対する免疫チェックポイント阻害剤の指摘投与期間に関する研究):症例登録中(予定患者172人を登録、2024年11月で登録完了)
 ・JCOG1710A(高齢者肺がん術後の日常生活活動度に関する調査研究):論文発表JTO Clinical and Research Reports 2023; 4: 100550(投稿関連費用¥210,113を支援)、海外学会発表2023.9世界肺癌会議(シンガポール、渡航費用・参加費¥394,944を支援)
 ・JCOG0707A1(肺がん患者の長期予後と合併症に関する調査研究):2024.6解析レポート完成(対象患者:963人)、データ収集・解析費用¥961,248を支援
 ・CSPOR LC-08(非小細胞肺癌に対するPD-1 経路阻害薬の至適投与量に関する臨床試験):2024年4月症例登録開始、運用委託費¥1,100,000を支援
 ・CSPOR LC-09(非小細胞肺癌に対する分子標的薬剤の至適投与量に関する臨床試験):2023年9月症例登録開始、運用委託費¥6,050,000を支援;AMED課題に採択され予算獲得;試験のデザイン論文を公表Jpn J Clin Oncol 2024; 54: 730-4

3 各種研究会、研修会、講演会、相談会、セミナー等の企画、立案、運営、実施及び管理に関する事業
下記組織の活動を継続した。
 2022.3.5 JCOG医療経済評価小委員会設立(約120人)
 2023.6に「医療経済小委員会」と改称
 2023.6.24第五回小委員会開催:Web
 特別講演講師:白沢博満(MSD株式会社)
 2022. 9.30第六回小委員会開催:Web
 特別講演講師:祖父江由紀子(東邦大学医療センター大森病院)
 2024.1.20第七回小委員会開催:Web
 特別講演講師:成瀬道紀(株式会社日本総合研究所調査部)
 2024.4.20第八回小委員会開催:Web
 特別講演講師:白岩健(国立保健医療科学院)
 高額医薬品の使用実態について調査を行い、9編の論文にまとめている。以下2編は出版済
 Jpn J Clin Oncol 2024; https://doi.org/10.1093/jjco/hyae045(前立腺癌・腎臓癌)
 Jpn J Clin Oncol 2024; https://doi.org/10.1093/jjco/hyae048(肝細胞癌)
 CSPOR LC-09のAMED予算獲得に伴い「AMED國頭班」設立
 2024.1.18 第一回班会議をメディアなどにも公開してWebで行う

4 出版業、執筆業並びに書籍、学術書、教材等の企画、デザイン、編集、印刷、制作、発行及び販売に関する事業
下記のWeb連載を書籍化:
『誰も考えようとしなかった癌の医療経済』(中外医学社、2023年7月)として出版(國頭英夫著、田中司朗監修)
2021.9~2022.11にm3.com(https://www.m3.com)にて隔週連載「医療維新」”Cost, value and value trials”(登録医師数:30万人以上)

5 関係団体、個人等に対する連絡、協力、調整、連携、交流、提言及び支援に関する事業
下記団体との情報交換を行っている。
 2023.9.11-12 OCCA(Optimal Cancer Care Alliance:https://optimalcancercare.org)第三回会議(オンライン開催)に参加、上記CSPOR LC-08および09研究についてプレゼン、討議した。
規制当局への働きかけ
 2024年4月2日に自民党財政健全化推進本部の財政基本問題小委員会で「科学的知見に基づく高額薬の適正使用」に関してプレゼン、経済財政諮問会議での討議を経て6月21日に閣議決定された令和6年度政府「骨太の方針」に「休薬・減薬を含む効果的・効率的な治療に関する調査・研究を推進し、診療のガイドラインにも反映していく」という文言が盛り込まれた。
 https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/cabinet/honebuto/2024/2024_basicpolicies_ja.pdf

6各種情報の提供に関する事業
下記ユーチューブチャンネルを2023.4~開設、情報提供に努めている。
 SATOMIチャンネル(https://www.youtube.com/@satomi_ch


令和5年度非営利型一般社団法人SATOMI臨床研究プロジェクト(以下SCP)社員総会議事録

日時:令和6年7月10日午後5時~
場所:ZOOMによるWeb会議

議決権のある社員総数 2名
 総社員の議決権の数 2個
 出席社員数(委任状による者を含む) 2名
 この議決権の総数 2個
 出席理事 國頭英夫(議長議事録作成者)
      石井昂

総社員2名(國頭・石井)全員が出席し、過半数に達しているので総会が成立することが確認され、定款の規定により國頭が代表理事として議長を務める旨宣言し、総会が開始され、直ちに議事に入った。

第1号議案令和4年度事業報告及び決算の承認に関する件
 議長は、当期(自令和5年6月1日至令和6年5月31日)における事業状況を事業報告及び附属書類により詳細に説明報告し、下記の書類を提出して、その承認を求めたところ、満場異議なくこれを承認可決した。
 1 貸借対照表
 2 損益計算書
 3 貸借対照表及び損益計算書の附属書類

第2号議案事業計画及び収支予算の件
 議長より、令和6年度の事業計画書及び収支予算書を配布し、詳細に審議したところ、全員異議なくこれを承認した。

第3号議案正会員及び賛助会員の会費の件
 議長より、賛助会員募集について審議の提案があり、詳細に審議したが、本件については継続審議とした。

 以上をもって本日の議事を終了したので議長は閉会を宣した。閉会時刻は午後5時45分であった。

 上記の決議を明確にするため、この議事録を作成し、議長及び出席理事がこれに記名押印する。

令和6年7月10日

一般社団法人SATOMI臨床研究プロジェクト定時社員総会
議事録作成者 議長 國頭英夫
出席理事 石井昂


癌の高額医療に関する実態調査の報告論文が英文医学雑誌に掲載されました

SCP代表理事の國頭英夫が委員長を務めるJCOG(日本臨床腫瘍研究グループ)医療経済小委員会において、さまざまな癌の高額医療に関する実態調査が行なわれ、まず前立腺癌・腎細胞癌と肝細胞癌に対する報告論文が英文医学雑誌に掲載されました。

https://doi.org/10.1093/jjco/hyae048

https://doi.org/10.1093/jjco/hyae045

このうち、前立腺癌については6月8日のNHKニュース7で紹介されました。

がん治療の医療費 増加続く 専門医らが治療費の実態調査開始 | NHK | 医療・健康


薬剤の用量削減に関する研究のデザイン論文が英文医学雑誌に発表されました

SCP代表理事の國頭英夫たちが行う、肺癌に対する経口分子標的薬タグリッソの用量適正化試験(CSPOR LC-08, “MONEY”研究)のデザインペーパー(デザイン論文)が英文医学雑誌Japanese Journal of Clinical Oncology電子版に掲載されました。東北大学の突田容子先生が中心になってまとめました。
https://academic.oup.com/jjco/advance-article-abstract/doi/10.1093/jjco/hyae032/7633704?utm_source=advanceaccess&utm_campaign=jjco&utm_medium=email


デザインペーパーとは、これからこういう研究を行います(行なってます)という紹介の論文で、どうしてそういうものを行うのかの背景、やり方、統計学的な解析方法、どういう結果が出たらどういう結論になるのか、などが記載されています。この研究は分子標的薬剤の用量削減によって、効果を落とさずに副作用とコストを減らしQOLを改善しようというものです。
英文雑誌に掲載されると、そういう研究が行われつつあるということを、その意義とともに世の中に広める効果があります。Japanese Journal of Clinical Oncologyは超有名雑誌とはいきませんが、英文での検索ですぐにかかりますので、この領域に関心を持つ全世界の人たちの目にふれることになります。


薬剤の用量削減に関する研究が日本医療研究開発機構の「革新的がん医療実用化研究事業」に採択されました

肺癌に対する免疫チェックポイント阻害剤の投与期間短縮に関する研究(TOPICS 2022年1月14日および2023年2月21日の記事で紹介、国立がんセンター中央病院の後藤悌先生たちの研究)、同じく腎臓癌に対する治療最適化研究(TOPICS 2022年1月13日の記事で紹介)、およびSCP代表理事の國頭英夫たちが行う分子標的薬剤の用量削減に関する研究が、日本医療研究開発機構(AMED)令和5年度「革新的がん医療実用化研究事業」に採択されました。

https://www.amed.go.jp/koubo/15/01/1501C_00080.html

(領域5−1−1)

これらが公的に支援すべき事業として認められたことを示します。この領域では他に採択された事案はなく、SCPが我が国の研究を牽引しています。


國頭英夫代表理事と垣添忠生日本対がん協会会長の対談が東京新聞に掲載されました

 SCP國頭英夫代表理事が、垣添忠生・日本対がん協会会長(国立がん研究センター名誉総長)と、高騰するがん医療費とその対策について対談した記事が、東京新聞に掲載されました。8月31日と9月7日の紙面に出ていますが、ネットでも読めます。

https://www.tokyo-np.co.jp/article/273836 (前半、8月31日紙面掲載分)

https://www.tokyo-np.co.jp/article/275395 (後半、9月7日紙面掲載分)