- SATOMI CLINICAL RESEARCH PROJECT -
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ニュース・活動報告

薬剤の用量削減に関する研究のデザイン論文が英文医学雑誌に発表されました

SCP代表理事の國頭英夫たちが行う、肺癌に対する経口分子標的薬タグリッソの用量適正化試験(CSPOR LC-08, “MONEY”研究)のデザインペーパー(デザイン論文)が英文医学雑誌Japanese Journal of Clinical Oncology電子版に掲載されました。東北大学の突田容子先生が中心になってまとめました。
https://academic.oup.com/jjco/advance-article-abstract/doi/10.1093/jjco/hyae032/7633704?utm_source=advanceaccess&utm_campaign=jjco&utm_medium=email


デザインペーパーとは、これからこういう研究を行います(行なってます)という紹介の論文で、どうしてそういうものを行うのかの背景、やり方、統計学的な解析方法、どういう結果が出たらどういう結論になるのか、などが記載されています。この研究は分子標的薬剤の用量削減によって、効果を落とさずに副作用とコストを減らしQOLを改善しようというものです。
英文雑誌に掲載されると、そういう研究が行われつつあるということを、その意義とともに世の中に広める効果があります。Japanese Journal of Clinical Oncologyは超有名雑誌とはいきませんが、英文での検索ですぐにかかりますので、この領域に関心を持つ全世界の人たちの目にふれることになります。


薬剤の用量削減に関する研究が日本医療研究開発機構の「革新的がん医療実用化研究事業」に採択されました

肺癌に対する免疫チェックポイント阻害剤の投与期間短縮に関する研究(TOPICS 2022年1月14日および2023年2月21日の記事で紹介、国立がんセンター中央病院の後藤悌先生たちの研究)、同じく腎臓癌に対する治療最適化研究(TOPICS 2022年1月13日の記事で紹介)、およびSCP代表理事の國頭英夫たちが行う分子標的薬剤の用量削減に関する研究が、日本医療研究開発機構(AMED)令和5年度「革新的がん医療実用化研究事業」に採択されました。

https://www.amed.go.jp/koubo/15/01/1501C_00080.html

(領域5−1−1)

これらが公的に支援すべき事業として認められたことを示します。この領域では他に採択された事案はなく、SCPが我が国の研究を牽引しています。


國頭英夫代表理事と垣添忠生日本対がん協会会長の対談が東京新聞に掲載されました

 SCP國頭英夫代表理事が、垣添忠生・日本対がん協会会長(国立がん研究センター名誉総長)と、高騰するがん医療費とその対策について対談した記事が、東京新聞に掲載されました。8月31日と9月7日の紙面に出ていますが、ネットでも読めます。

https://www.tokyo-np.co.jp/article/273836 (前半、8月31日紙面掲載分)

https://www.tokyo-np.co.jp/article/275395 (後半、9月7日紙面掲載分)


第二回社員総会のご報告

 去る8月2日に社員総会が開催されました。昨年度の事業報告です。3年目に入り、更なる飛躍を図りたいと思っています。


令和4年度(2022年6月1日〜2023年5月31日) 事業報告書 非営利型一般社団法人 SATOMI臨床研究プロジェクト

1.事業の成果
・がん治療を中心とした医療の現状について情報発信を行い、問題提起をすることができた。
・恒常的な情報発信のためのホームページを作成、随時活動報告をアップした。
・ユーチューブチャンネルを開設した。
・JCOG(日本臨床腫瘍研究グループ)・JCCG(特定非営利活動法人日本小児がん研究グループ)と提携関係を築き、JCOGやCSPOR(公益財団法人パブリックヘルスセンターがん臨床研究支援事業)とは共同で臨床試験を実施もしくは計画していった。
・OCCA(Optimal Cancer Care Alliance)など海外の研究団体と交流し、情報交換をすることにより将来の共同研究への基盤を築いていった。

2.事業の実施に関する事項
定款に記載された事業ごとに記す。一部、令和3年度および5年度にまたがる事項も、令和4年度の事業と直接関連するものは対象に含めた。

1 がん治療を中心とした医療の普及、啓発に関する事業
下記メディアにてがん治療の現状を紹介し、問題点を指摘した。
 NHKおはよう日本2022.6.5放送
 東京新聞2022.6.23・6.30朝刊
 日本海新聞「潮流」2022.5月?10月(月1回)
 ニッポン放送「ドクターズボイス」2023.3.23
 SCPホームページ開設https://s-cp.or.jp
 Youtube SATOMIチャンネル(2023.4月開設)

2 臨床研究及びその関連領域についての調査、研究、情報の収集、提供、相談及び支援に関する事業
下記臨床試験を遂行・結果発表または支援した。
 ・JCOG1905(腎癌に対する免疫チェックポイント阻害剤の指摘投与期間に関する研究):症例登録中(対象患者:250人を予定)、データベース改修費用?1,076,900を支援
 ・JCOG1701(肺がんに対する免疫チェックポイント阻害剤の指摘投与期間に関する研究):症例登録中(対象患者:216人を予定)、付随研究解析費用?2,000,000を支援
 ・JCOG1710A(高齢者肺がん術後の日常生活活動度に関する調査研究):論文投稿中(対象患者:876人)
 ・JCOG0707A1(肺がん患者の長期予後と合併症に関する調査研究):2022.6.3研究開始(対象患者:963人)、データ収集・解析費用?1,012,000を支援
 ・CSPOR LC-08(非小細胞肺癌に対するPD-1 経路阻害薬の至適投与量に関する臨床試験):計画準備中、2023.9.11のOCCA WEB会議にてプレゼン予定
 ・CSPOR LC-09(非小細胞肺癌に対する分子標的薬剤の至適投与量に関する臨床試験)計画準備、2023.9.11のOCCA WEB会議にてプレゼン予定

3 各種研究会、研修会、講演会、相談会、セミナー等の企画、立案、運営、実施及び管理に関する事業
下記組織を設立、活動を開始した。
 2022.3.5 JCOG医療経済評価小委員会設立(約120人)
 2022.6.18第一回小委員会開催:Web
 特別講演講師:西沢和彦(日本総研調査部)
 2022.9.10第二回小委員会開催:Web
 特別講演講師:五十嵐中(横浜市大データサイエンス研究科)
 2023.1.7第三回小委員会開催:Web
 特別講演講師:上杉素直(日本経済新聞政策報道ユニット)
 2023.3.25第四回小委員会開催:Web
 特別講演講師:河本光博(財務省主税局)

4 出版業、執筆業並びに書籍、学術書、教材等の企画、デザイン、編集、印刷、制作、発行及び販売に関する事業
下記のWeb連載を書籍化予定(中外医学社、2023.6月頃)。
 2021.9~2022.11にm3.com(https://www.m3.com)にて隔週連載「医療維新」”Cost, value and value trials”(登録医師数:30万人以上)

5 関係団体、個人等に対する連絡、協力、調整、連携、交流、提言及び支援に関する事業
下記団体との情報交換を行っている。
 2023.9.11-12 OCCA(Optimal Cancer Care Alliance:https://optimalcancercare.org)第三回会議(オンライン開催)参加予定

6各種情報の提供に関する事業
下記ユーチューブチャンネルを開設、情報提供に努めている。
 2023.4~SATOMIチャンネル(https://www.youtube.com/@satomi_ch)


定時社員総会議事録

 令和5年8月2日午後1時00分より、帝国ホテル5階会議室(東京都千代田区内幸町1-1-1)において、定時社員総会を開催した。
 議決権のある社員総数 2名
 総社員の議決権の数 2個
 出席社員数(委任状による者を含む) 2名
 この議決権の総数 2個
 出席理事 國頭英夫(議長議事録作成者)
      石井昂

 以上のとおり総社員の議決権の数の過半数に相当する社員の出席があったので、定款の規定により代表理事國頭英夫は議長席につき、本定時総会は適法に成立したので、開会する旨を宜し、直ちに議事に入った。

第1号議案令和4年度事業報告及び決算の承認に関する件
 議長は、当期(自令和4年6月1日至令和5年5月31日)における事業状況を事業報告及び附属書類により詳細に説明報告し、下記の書類を提出して、その承認を求めたところ、満場異議なくこれを承認可決した。
 1 貸借対照表
 2 損益計算書
 3 貸借対照表及び損益計算書の附属書類

第2号議案事業計画及び収支予算の件
 議長より、令和5年度の事業計画書及び収支予算書を配布し、詳細に審議したところ、全員異議なくこれを承認した。

第3号議案正会員及び賛助会員の会費の件
 議長より、当法人の正会員及び賛助会員の会費について諮り、審議の結果、正会員の入会金を1万円、年会費を5千円、賛助会員の入会金を個人0円、団体0円、年会費を個人1万円、団体10万円とすることで、全員異議なくこれを承認した。

第4号議案役員の任期満了に伴う改選に関する件
 議長は理事國頭英夫、同石井昂、同武井秀史が本定時総会の終結と同時に任期満了し、退任することになるので、その改選の必要がある旨を述べ、その選任方法を諮ったところ、出席社員中から議長の指名に一任したいとの発言があり、一同これを承認したので、下記の者を指名し、この者につきその可否を諮ったところ、満場異議なくこれに賛成したので、下記のとおり可決確定した。
 理事 國頭英夫(再任)
 理事 石井昂(再任)
 理事 武井秀史(再任)

 以上をもって本日の議事を終了したので議長は閉会を宣した。閉会時刻は午後2時00分であった。

 上記の決議を明確にするため、この議事録を作成し、議長及び出席理事がこれに記名押印する。

令和5年8月2日

一般社団法人SATOMI臨床研究プロジェクト定時社員総会
議事録作成者 議長 國頭英夫
出席理事 石井昂


武井秀史理事の高齢者肺癌患者における術後活動度の論文が世界肺癌学会の機関誌電子版に掲載されました

 SATOMI臨床研究プロジェクト(SCP)理事である昭和大学呼吸器外科教授の武井秀史先生が執筆された、高齢者肺癌患者における術後の日常生活活動度に関する調査研究の論文が、世界肺癌学会(IASLC)の機関誌の一つ、JTO Clinical and Research Reports電子版に掲載されました。

Prospective, multi-institutional observational study of deterioration in activities of daily living in elderly patients after lung cancer surgery. – ScienceDirect

題名:Prospective, multi-institutional observational study of deterioration in activities of daily living in elderly patients after lung cancer surgery.(肺癌手術後の高齢患者における日常生活活動度悪化に関する多施設共同前向き観察研究)

 この研究は、武井教授が主導して日本臨床腫瘍研究グループ(JCOG)の47施設が参加し、SCPが支援して行なったもので、癌の患者さんが「生きるか、死ぬか」だけではなく「どう生きるか」に焦点を当てた、高齢化時代に極めて重要なテーマであり、海外からも高く評価されました。


國頭英夫代表理事が新著『誰も考えようとしなかった癌の医療経済』を出版しました

 SATOMI臨床研究プロジェクト(SCP)代表理事である國頭英夫が、中外医学社から新著『誰も考えようとしなかった癌の医療経済』を出版しました。

中外医学社 | 書籍詳細 (chugaiigaku.jp)

これは医療者向けポータルサイト「エムスリー」に連載していた記事を加筆修正し、京都大学大学院医学研究科臨床統計学講座の田中司朗特定教授の監修を受けて書籍化したものです。臨床医の視点に立った医療経済の本は極めてユニークです。


ラジオ番組「ドクターズボイス〜根拠ある健康医療情報に迫る!〜」に國頭英夫代表理事が出演しました

 ニッポン放送のラジオ番組「徳洲会グループpresents ドクターズボイス〜根拠ある健康医療情報に迫る!〜」3月22日放送回に國頭英夫代表理事が出演しました。同番組は毎週ホットなテーマを設け、各専門分野のドクターをゲストに迎えて、そのメカニズムや対処法を分かりやすく伝える番組です。代表理事の國頭医師は最終回に出演し、「持続可能な医療」について語りました。番組は以下のリンクより3月29日まで視聴することができます。

ドクターズボイス~根拠ある健康医療情報に迫る!~ ニッポン放送 2023/3/22(水) 21:00-21:20
https://radiko.jp/share/?t=20230322210000&sid=LFR


非小細胞肺癌に対する免疫チェックポイント治療の期間短縮と最適化の研究を支援

日本臨床腫瘍研究グループ(JCOG)の肺がん内科グループ(代表:大江裕一郎国立がん研究センター中央病院副院長)が行なっている、非小細胞肺癌に対する免疫チェックポイント治療の期間短縮と最適化の研究(JCOG1701)に対して、SATOMI臨床研究プロジェクト(SCP)が200万円の支援を行い、「休薬しても効果が持続する患者」を選択するための指標となるバイオマーカー探索の解析を行いました。この研究では国立がん研究センター中央病院呼吸器内科の後藤悌先生が中心となっていて、その詳細は2022年1月14日の「ニュース・活動報告」にも掲載されています。


腎臓癌に対する免疫治療薬の最適化研究を支援

日本臨床腫瘍研究グループ(JCOG)の泌尿器科グループ(代表:西山博之筑波大学教授)が行なっている、腎臓癌に対する免疫チェックポイント治療の期間短縮と最適化の研究(JCOG1905、研究総括:江藤正俊九州大学教授)に対して、SATOMI臨床研究プロジェクト(SCP)が約108万円の支援を行い、電子的臨床検査情報収集(EDC)システム改修を行いました。