去る7月10日に社員総会が開催されました。昨年度の事業報告です。4年目に入り、更なる飛躍を図りたいと思っています。
令和5年度(2023年6月1日〜2024年5月31日) 事業報告書 非営利型一般社団法人 SATOMI臨床研究プロジェクト
1.事業の成果
・がん治療を中心とした医療の現状と問題点について情報発信を行い、問題提起をすることができた。
・恒常的な情報発信のためのホームページを作成、随時活動報告をアップした。
・ユーチューブチャンネルを継続した。
・JCOG(日本臨床腫瘍研究グループ)やCSPOR(公益財団法人パブリックヘルスセンターがん臨床研究支援事業)とは共同で複数の臨床試験を実施もしくは計画していった。
・AMED(国立研究開発法人日本医療研究開発機構)からの研究費を獲得して「國頭班」を立ち上げ、研究を遂行するとともに班会議を公開して広報に努めた。
・OCCA(Optimal Cancer Care Alliance)など海外の研究団体と交流し、情報交換をすることにより将来の共同研究への基盤を築いていった。
2.事業の実施に関する事項
定款に記載された事業ごとに記す。一部、令和4年度および6年度にまたがる事項も、令和5年度の事業と直接関連するものは対象に含めた。
1 がん治療を中心とした医療の普及、啓発に関する事業
下記メディアにてがん治療の現状を紹介し、問題点を指摘した。
東京新聞2023.8.31・9.7朝刊(垣添忠生・対がん協会会長との対談)
公益財団法人札幌がんセミナー機関誌「The way forward」2023年12月号(同上・垣添先生との対談詳細)
SCPホームページhttps://s-cp.or.jp
Youtube SATOMIチャンネル(https://www.youtube.com/@satomi_ch)
NHKニュース7(2024.6.8)がん治療の医療費 増加続く 専門医らが治療費の実態調査開始 | NHK | 医療・健康
2 臨床研究及びその関連領域についての調査、研究、情報の収集、提供、相談及び支援に関する事業
下記臨床試験を遂行・結果発表または支援した。
・JCOG1905(腎癌に対する免疫チェックポイント阻害剤の指摘投与期間に関する研究):症例登録中(対象患者:250人を予定)、付随研究解析費用¥1,503560を支援(予定分含む)
・JCOG1701(肺がんに対する免疫チェックポイント阻害剤の指摘投与期間に関する研究):症例登録中(予定患者172人を登録、2024年11月で登録完了)
・JCOG1710A(高齢者肺がん術後の日常生活活動度に関する調査研究):論文発表JTO Clinical and Research Reports 2023; 4: 100550(投稿関連費用¥210,113を支援)、海外学会発表2023.9世界肺癌会議(シンガポール、渡航費用・参加費¥394,944を支援)
・JCOG0707A1(肺がん患者の長期予後と合併症に関する調査研究):2024.6解析レポート完成(対象患者:963人)、データ収集・解析費用¥961,248を支援
・CSPOR LC-08(非小細胞肺癌に対するPD-1 経路阻害薬の至適投与量に関する臨床試験):2024年4月症例登録開始、運用委託費¥1,100,000を支援
・CSPOR LC-09(非小細胞肺癌に対する分子標的薬剤の至適投与量に関する臨床試験):2023年9月症例登録開始、運用委託費¥6,050,000を支援;AMED課題に採択され予算獲得;試験のデザイン論文を公表Jpn J Clin Oncol 2024; 54: 730-4
3 各種研究会、研修会、講演会、相談会、セミナー等の企画、立案、運営、実施及び管理に関する事業
下記組織の活動を継続した。
2022.3.5 JCOG医療経済評価小委員会設立(約120人)
2023.6に「医療経済小委員会」と改称
2023.6.24第五回小委員会開催:Web
特別講演講師:白沢博満(MSD株式会社)
2022. 9.30第六回小委員会開催:Web
特別講演講師:祖父江由紀子(東邦大学医療センター大森病院)
2024.1.20第七回小委員会開催:Web
特別講演講師:成瀬道紀(株式会社日本総合研究所調査部)
2024.4.20第八回小委員会開催:Web
特別講演講師:白岩健(国立保健医療科学院)
高額医薬品の使用実態について調査を行い、9編の論文にまとめている。以下2編は出版済
Jpn J Clin Oncol 2024; https://doi.org/10.1093/jjco/hyae045(前立腺癌・腎臓癌)
Jpn J Clin Oncol 2024; https://doi.org/10.1093/jjco/hyae048(肝細胞癌)
CSPOR LC-09のAMED予算獲得に伴い「AMED國頭班」設立
2024.1.18 第一回班会議をメディアなどにも公開してWebで行う
4 出版業、執筆業並びに書籍、学術書、教材等の企画、デザイン、編集、印刷、制作、発行及び販売に関する事業
下記のWeb連載を書籍化:
『誰も考えようとしなかった癌の医療経済』(中外医学社、2023年7月)として出版(國頭英夫著、田中司朗監修)
2021.9~2022.11にm3.com(https://www.m3.com)にて隔週連載「医療維新」”Cost, value and value trials”(登録医師数:30万人以上)
5 関係団体、個人等に対する連絡、協力、調整、連携、交流、提言及び支援に関する事業
下記団体との情報交換を行っている。
2023.9.11-12 OCCA(Optimal Cancer Care Alliance:https://optimalcancercare.org)第三回会議(オンライン開催)に参加、上記CSPOR LC-08および09研究についてプレゼン、討議した。
規制当局への働きかけ
2024年4月2日に自民党財政健全化推進本部の財政基本問題小委員会で「科学的知見に基づく高額薬の適正使用」に関してプレゼン、経済財政諮問会議での討議を経て6月21日に閣議決定された令和6年度政府「骨太の方針」に「休薬・減薬を含む効果的・効率的な治療に関する調査・研究を推進し、診療のガイドラインにも反映していく」という文言が盛り込まれた。
https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/cabinet/honebuto/2024/2024_basicpolicies_ja.pdf
6各種情報の提供に関する事業
下記ユーチューブチャンネルを2023.4~開設、情報提供に努めている。
SATOMIチャンネル(https://www.youtube.com/@satomi_ch)
令和5年度非営利型一般社団法人SATOMI臨床研究プロジェクト(以下SCP)社員総会議事録
日時:令和6年7月10日午後5時~
場所:ZOOMによるWeb会議
議決権のある社員総数 2名
総社員の議決権の数 2個
出席社員数(委任状による者を含む) 2名
この議決権の総数 2個
出席理事 國頭英夫(議長議事録作成者)
石井昂
総社員2名(國頭・石井)全員が出席し、過半数に達しているので総会が成立することが確認され、定款の規定により國頭が代表理事として議長を務める旨宣言し、総会が開始され、直ちに議事に入った。
第1号議案令和4年度事業報告及び決算の承認に関する件
議長は、当期(自令和5年6月1日至令和6年5月31日)における事業状況を事業報告及び附属書類により詳細に説明報告し、下記の書類を提出して、その承認を求めたところ、満場異議なくこれを承認可決した。
1 貸借対照表
2 損益計算書
3 貸借対照表及び損益計算書の附属書類
第2号議案事業計画及び収支予算の件
議長より、令和6年度の事業計画書及び収支予算書を配布し、詳細に審議したところ、全員異議なくこれを承認した。
第3号議案正会員及び賛助会員の会費の件
議長より、賛助会員募集について審議の提案があり、詳細に審議したが、本件については継続審議とした。
以上をもって本日の議事を終了したので議長は閉会を宣した。閉会時刻は午後5時45分であった。
上記の決議を明確にするため、この議事録を作成し、議長及び出席理事がこれに記名押印する。
令和6年7月10日
一般社団法人SATOMI臨床研究プロジェクト定時社員総会
議事録作成者 議長 國頭英夫
出席理事 石井昂